痩せるには何キロカロリー消費すればいい?
ポイント:1キロ痩せるのに一体どれだけカロリーを消費すればいいのか。定説の1キロ=7200kcalだけではなく、痩せるためのカロリーについて踏み込んで解説します。
目次
- 01 痩せるのは何キロカロリー?
- 02 痩せるためのカロリーもう1つの説
- 03 結論
- 04 ダイエットの最低摂取カロリー
- 05 痩せる方法
1キロ痩せるのは何キロカロリー?
1キロ痩せるには、7200kcalを消費すればいいと言われています。なぜ7200kcalかというと、脂肪は1キロ7200kcalだからです。
ダイエットやエクササイズについて詳しい人は知っていると思いますが、脂肪は1グラム9kcalという基本的な知識があります。
1グラムが9キロなら、脂肪1キロは9000kcalになるはずです。しかし脂肪の約20%は水分なので、残りの80%にあたる7200kcalが純粋な脂肪の重さになります。ポイントをまとめると次のようになります。
- ・脂肪は1キロ9000kcal
- ・脂肪の20%は水分
- ・水分を除いた脂肪は1キロ7200kcal
脂肪は水分をため込んでいるので、7200kcal分の脂肪(800g)を燃焼したら、自動的に脂肪が貯蓄した水分(200g)が一緒に燃焼するという理屈です。
「1キロ痩せる=7200kcal消費」。でもこれって本当なんでしょうか?
ヒントになりそうなのが、「3500kcalルール」というものです。
1キロ痩せるためのカロリーもう1つの説
「3500kcalルール」は、「1キロ痩せる=7200kcal消費」の海外版です。
「3500kcalルール」は日本では全くなじみがないんですが、諸外国では半世紀前からダイエットの1つのセオリーとして知られています。逆に「1キロ痩せる=7200kcal消費」は海外ではほぼ知られていないようです。
なぜ3500kcalという数字が出てくるかというと、海外ではそもそも体重の基準が「1キロ」ではなく「1ポンド」だからです。つまり次のような意味です。
「3500kcalルール」=「1ポンド痩せるのに必要な消費カロリーは3500kcal」
ただし「3500kcalルール」は、「1キロ痩せる=7200kcal消費」と全く同じ意味というわけではありません。1ポンド当たり3500kcalは、1キロあたりに換算すると次のようになるからです。
「3500kcalルール」=「1キロ痩せるのに必要な消費カロリーは7716kcal」
1キロ痩せるのに7200kcal消費ではなく、7716kcal消費する必要があるという事です。
「1キロ痩せる=7200kcal消費」の前提は「脂肪の20%が水分」でしたが、3500kcalルールでは「脂肪の14%が水分」という前提になります。
- 「1キロ痩せるのに7200kcal」=「脂肪の20%は水分」
- 「3500kcalルール」=「脂肪の14%は水分」
まとめ:「1キロ痩せる=7200kcal」という定説は、海を渡れば「1キロ痩せる=7716kcal」として知られている
備考:この「3500kcalルール」は間違っているという議論が起きるには起きているのですが、指摘されているポイントは、全く別の論点(体重が変化すると代謝が変化する)です。
結論:1キロ痩せるには何キロカロリー消費すればいい?
結局のところ1キロ痩せるのに何キロ消費すればいいのでしょうか。国内と海外で、脂肪組織に含まれるカロリーが変化する事はあり得ないので、痩せたい時には幅を持って消費カロリーを検討する必要があります。結論としては次のようになります。
1キロ痩せるには最小で7200kcal、場合によっては7716kcalを消費する必要がある
「3500kcalルール」をめぐる議論として、過大評価になる可能性があると指摘されているので、7716kcal以上多めに見積もる必要はなさそうです。
ダイエットするときの最低摂取カロリー
やせるために消費カロリーを増やし過ぎると健康を害してしまいます。ダイエットの最低摂取カロリーを知っておきましょう。最低摂取カロリーは次の様になります。
最低摂取カロリー=基礎代謝量/日(kcal)
基礎代謝は人間が何もしなくても消費するカロリーのことで、最低限の生命維持に必要な代謝量です。
1キロ痩せる方法は?
1キロ痩せるためには約7200kcal~7700kcalを消費しないといけません。
カロリーを消費するには2つの方法があります。
- ・食事制限により痩せる
- ・運動により痩せる
どちらの方法にしても、まず自身の基礎代謝と1日の総消費カロリーを知っておく必要がありますので、次のツールで設定しましょう。
食事で痩せるには
まず「1日の食事のカロリーが1日の総消費カロリーと同じ」だと、プラスマイナスゼロで体重は変動しません。人によって差はありますが、1日の消費カロリーは大体2000kcal前後です。
1日の食事カロリーを消費カロリーより低くすることが、スタートになります。
具体的に1日に500kcal分の食事を制限すると、14日間で「500kcal×14日間=7000kcal」になります。これで約1キロ体重は減少します。食事制限の量を更に増やすことも可能です。
食事で痩せる際には、次のポイントを意識しましょう。
- 食事のカロリーは必ず消費カロリー以内にする
- 食事のカロリーは基礎代謝を下回らないようにする
- バランスの取れた食事をする
- 過度な食事制限を行わず、適度な運動を取り入れる(代謝が上がる)
- よく咀嚼する(食事誘発熱産生が上がる)
- 遅い時間帯に食事をしない(食事誘発熱産生が上がる)
運動で痩せるには
運動で痩せる時にも、1日の食事のカロリーは消費カロリーを上回ってはいけません。食制限をする必要はありませんが、運動をしておなかが減った分を食べ過ぎてしまっては意味がありません。
運動で消費したカロリーを計算するには「体重×メッツ×時間=運動の消費カロリー」の式を使います。メッツは運動の運動の強度を表す数字です。
具体的にランニングで運動をした場合の、平均的な体型の男女の消費カロリーは次のようになります。
- 平均的な体型の女性(体重52kg):8.5kmのランニングで約500kcalを消費。14日間続けると約1キロ減量
- 平均的な体型の男性(体重66kg):7.5kmのランニングで約500kcalを消費。14日間続けると約1キロ減量
運動の種類によって、消費するカロリーは大きく変わってきます。