子どもの肥満【計算と解説】
身長や体重から子供の肥満度を計算して、肥満判定、体格判定をします。
子供の肥満の計算
上のツールは子供の肥満の計算ツールです。年齢に応じた指数(ローレル指数等)を用いてお子さんの肥満度を計算し、太り過ぎていないか体型の判定を行います。結果を確認したら解説にどうぞ。
目次
- 01 子供の肥満度
- 「肥満度」
- 「ローレル指数」
- 「カウプ指数」
- 02 子供の肥満と病気
- 03 子供の肥満の実態
子供の肥満
子供が何キロ太ったら肥満になるのか、肥満の判断の基準はなに?と疑問に思ったことはありませんか?
子供の肥満は、次の指標で評価することが出来ます。
- ・日本小児科学会の「肥満度」(6歳未満)
- ・ローレル指数(小中学生)
- ・カウプ指数
お子さんが6歳未満の場合には、日本小児科学会の「肥満度」か「カウプ指数」で判断し、小・中学生の場合には「ローレル指数」という指標を使って、肥満の判断をします
それぞれの方法の特徴を解説します。
「肥満度」
日本小児科学会が推奨している肥満の判定方法で、独自の「肥満度」を計算します。
日本小児科学会によると、統計的な根拠のあるデータを基にしている為、カウプ指数より有効という事です。1歳から6歳未満に適用されます。
「肥満度」の計算は次の通りです。
「肥満度」(%)= (実測体重 - 標準体重) ÷ 標準体重 × 100
体重(kg)
冒頭の計算ツールでは、標準体重のデータが組み込んであるので、お子さんの身長を打ち込めば計算することが出来るようになっています。肥満判定もツール内で表示されますが、念のために肥満の判定基準を掲載します。
肥満度区分 | 体格 |
---|---|
+30%以上 | ふとりすぎ |
+20%以上 +30%未満 | ややふとりすぎ |
+15%以上 +20%未満 | ふとりぎみ |
-15%超 +15%未満 | ふつう |
-20%超 -15%以下 | やせ |
-20%以下 | やせすぎ |
「肥満度」は、次の点に注意してください。
対象となる身長:70cm 以上 120cm 未満
身長が120cmを超えると(多くの場合5歳以上になるので)日本小児科学会の「肥満度」の適用外になりますが、次に解説するローレル指数を使用することが出来ます。
「ローレル指数」
スイス人医師により提唱された子供向けの体格指数で、小中学生の学童に適応され、肥満や痩せ気味の体型判断に使われます。身長差の影響が大きくなる傾向があります。ローレル指数が適用されるのは高校生までで、それ以上は通常のBMIが適用されます。
計算方法は次のようになります。
ローレル指数=体重(kg) ÷ 身長(cm)3 × 10
ローレル指数の値が130程度を中心として「115~145未満」に収まっていれば「標準的な体型」とみなされます。145以上は「太りぎみ」、160以上で「太りすぎ」になります。一方、100未満になると「やせすぎ」になります。
ローレル指数 | 判定 |
---|---|
100未満 | 痩せすぎ |
100~115未満 | 痩せぎみ |
115~145未満 | 標準 |
145~160未満 | 太りぎみ |
160以上 | 太り過ぎ |
「カウプ指数」
カウプ指数はカウプ・ダーヴェンポート指数とも呼ばれ、満3か月から5歳未満の乳児・幼児が低体重や肥満になっていないか判断する体格指数です。計算方法は「カウプ指数=体重(kg) ÷ 身長(cm)2」になります。
日本小児科学会の指摘する、カウプ指数の問題点は以下の通りです。
- ・年齢に伴い肥満度が大きくなる
- ・身長が高い程、肥満度が大きくなる
- ・肥満が高度である程、肥満の程度の差が理解しにくくなる
日本小児科学会は2019年に公表の資料で、カウプ指数について「使用する利点は、ほとんどないといってもよい
」としており、6歳未満の肥満度計算では、カウプ指数の代わりに①「日本小児科学会の肥満度判定」を利用することを推奨しています。
カラダロジックでは常にユーザーの皆様にとって有益になるように、可能な限り新しい情報をアップデートするべきという観点から、①「日本小児科学会の肥満度判定」を計算ツールに導入しています。
子供の肥満と病気
子供が肥満になると、どのような病気になるのでしょうか?
「生活習慣病」は「成人病」と混同されていることもあって大人にしか起きないように思われがちですが、肥満と関連する「生活習慣病」は、成人だけではなく、子供にも起こります。
生活習慣病の他にも、体重の負荷によって足腰の関節にダメージを与えたり、そのまま大人の肥満に移行しやすかったり、という影響があります。
参考:日本小児内分泌学会「肥満」 参考:厚生労働省「生活習慣病」子供の肥満の実態
WHOの発表によると、子供の肥満は増加しています。
- ①「5~19歳の女性16人に1人が肥満、男性12人に1人が肥満(2016年)」
- ②「5歳未満の約3900万人(推定)の子供が太りすぎ、または肥満(2020年)」
- ③「特に都市部で太りすぎや肥満が増加」
①「5~19歳の女性16人に1人が肥満、男性12人に1人が肥満(2016年)」についてですが、注目したいのは1975年には「5〜19歳の子供」で肥満だったのは「100人に1人未満(1%弱)」にすぎませんでした。ところが2016年時点では「女子の6%、男子の8%」が肥満になっています。
1975年以降約50年間の間に、5~19歳の肥満は約7倍になっています。
5歳未満の子供も例外ではなく、肥満が増加しています。特に都市部で肥満の子どもが多いという傾向もあるようです。
参考:WHO「肥満と太り過ぎ」