脂質・脂肪の種類を徹底解説。見分け方や性質。

一口に脂肪といっても、実は様々な種類があります。しかもいざ脂肪を調べてみると、なかなか基本的なことが一か所にまとまっておらず、結局何が何だかよく分らなかった…という方が居ると思います。
 
今回は誰にでも理解できるように、脂肪を基礎から図を用いてまとめていきます。これを読めば、脂肪の種類、見分け方、性質が理解できます。それでは始めましょう。
目次
- 01 脂質の種類
 - 02 飽和脂肪酸の種類、特徴
 - 03 不飽和脂肪酸の種類、特徴
 - -1 -オメガ系脂肪酸の種類、特徴
 - 04 各脂肪の摂取バランス
 
脂質の種類
 
まず脂肪は大きく分けると2つに分類されます。
脂肪は飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸の2つに分かれる。
この2つは面白いほど正反対の性質があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
 
- 1. 飽和脂肪酸
 - 常温で固体のものが多い。
 - 動物性の油に多い。
 - 炭素の二重結合なし。
 
- 2. 不飽和脂肪酸
 - 常温で液体のものが多い。
 - 植物性の油に多い。
 - 炭素の二重結合あり。
 
 
まとめると、
飽和は動物性で固体、不飽和は植物性で液体。
ということになります。
 
それぞれの脂肪酸はさらに枝分かれしていきます。ここから複雑になっていきますので、先にまず脂肪の種類を分類した図をご覧ください。
 

飽和脂肪酸の種類
 
飽和脂肪酸は更に次のような脂肪酸に枝分かれします。
脂肪は飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸の2つに分かれる。
この2つは面白いほど正反対の性質があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
 
- 長鎖脂肪酸
 - 普段の食事の油脂の多くが該当する。
 - 小腸で消化。必要に応じて分解される。
 
- 中鎖脂肪酸
 - ココナッツオイル、MCTオイル、牛乳等に含有。
 - 長鎖脂肪酸より分解されやすい。
 - 脂肪として蓄積されにくい。
 
- 短鎖脂肪酸
 - 酢酸、プロピオン酸、酪酸からなる。
 - 腸内細菌により産生される。
 - 食物繊維、乳酸菌などを摂取することで作られる。
 
不飽和脂肪酸の種類
 
不飽和脂肪酸は基本的に健康的な脂肪酸として認知されていますが、図でもわかるようにその中はまず2つの種類に分類されます。
 
- 多価不飽和脂肪酸
 - 体内で作れない。
 - オメガ3系脂肪酸←必須脂肪酸
 - オメガ6系脂肪酸←必須脂肪酸
 
- 一価不飽和脂肪酸
 - 体内で作れる。
 - オメガ9系脂肪酸。
 
 
オメガ○系、必須脂肪酸という言葉が出てきました。これについては次の章で解説していきます。その前に注目してほしいのが、多価脂肪酸の特徴です。
 
まとめ
 多価脂肪酸は体内で作れません。つまり必ず食品を通じて摂取します。そして多価脂肪酸の一部は「必須脂肪酸」と呼ばれています
オメガ3系、オメガ6系、オメガ9系の特徴
 
多価脂肪酸のオメガ3系と6系。一価脂肪酸のオメガ9系。それぞれの特徴を紹介します。
 
- オメガ3系脂肪酸
 - 必須脂肪酸のα-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等からなる。
 - えごま、亜麻仁、青魚に含まれる。
 
- オメガ6系脂肪酸
 - 必須脂肪酸のリノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸等からなる。
 - コーン油、大豆油、綿実油、グレープシードオイル等に含まれる。
 
- オメガ9系脂肪酸
 - オレイン酸等からなる。
 - オリーブオイル、べに花油、なたね油等に含まれる。
 
まとめ
 多価脂肪酸の中のオメガ3系(リノレン酸,EPA,DHA)、オメガ6系(リノール酸,リノレン酸,アラキドン酸)は必須脂肪酸。
脂肪酸の摂取バランス
これまで説明してきた脂肪酸には理想の摂取バランスがあります。
 
それは、
飽和脂肪酸:一価脂肪酸:多価脂肪酸が3:4:3の割合になるように摂取する。
 
特に、意識しないと普段の食事多く含まれる飽和脂肪酸の長鎖脂肪酸を取りすぎてしまう傾向があります。脂肪の摂取バランスに気を付けながら、健康的な食事を心がけましょう。
 
またこちらのエントリーでは脂肪のカロリーについて解説しています。是非合わせてお読みください。
 
今エントリはここまでです。お読みいただきありがとうございました。